いつも出かけるスーパーマーケット、駐車場の隣の空き地に見事な雪柳が咲いていました。毎年立派に花を咲かせていたことでしょうに、今まで目にしても見ようとしていなかった、立ち止まることがなかったことに気づきました。
買い物をすませ家に戻ってみると、庭に飛んできたうぐいすが「ホーホケキョ、ケキョ、ケキョ」と鳴いています。数日前は「ケッ、ケッ、ケッ」と鳴いていたのに、きっと毎日練習してたのでしょうね。昔の人はこの鳴き声を「法を聞けよ」と、仏法を聞きなさいよという促しの言葉に聞いたとか。
今から半世紀以上も前に書かれた、アメリカの生物学者レイチェル・カーソンの『沈黙の春』。彼女が警告したように、人類が科学の進歩とともに壊し続けた自然環境、私の子どもの頃に比べても随分と小さな生きものや虫たちが少なくなってしまいました。それでも2020年の春、野に咲く雪柳に蜂は集まり、静けさを取り戻した暮らしの中に、ようやくうぐいすの声も届いてきたようです。