称名寺へようこそ。ブログ訪問ありがとうございます。
先日、ご縁があって出掛けた先の帰り道で、美しい景色に出会えました。うららかな春の海、菜の花畑の向こうには白い波しぶき、自然の優しさと厳しさ、その両方が同時に存在する豊かな場所でした。
子どもの頃、夏休みには海につれていってもらいましたが、波の音や足の裏に感じる砂の肌触りとともに、寄せては返す波が心地よく、形を変える波に飽きることなくいつまでも遊んでいられたこととを懐かしく思い出します。また海は楽しいばかりではなく、おぼれかけて苦しかったこと、クラゲに刺されないか心配したこと、潮が満ちてきて怖かったこともありました。そして幼心にも、海の向こうにどんな世界があるのか、憧れる気持ちもありました。
美しさ、豊かさ、厳しさをあわせ持った海、親鸞聖人は様々な場面でこの海を喩えとして教えを説かれています。
人間の悩み多き一生は「難度海」(なんどかい)向こう岸に渡ることの難しい大海原として表現され、阿弥陀さまの徳の偉大さを表すときには「弥陀本願海」(みだほんがんかい)や「功徳大宝海」(くどくだいほうかい)とも言い表されています。苦難の人生が阿弥陀さまとの出会いによって人生の意味が転じられていくとき、同じ海であっても見方や受け止め方が変わり、より豊かさを味わうことができるのでしょう。
この場所で夕日を見ながら静かに過ごすことができたらいなぁと思いながら、家路についたお彼岸の日の一日でした。
なんまんだぶつ
またお会いしましょう。