立春を過ぎ、時にはあたたかな日もありますが、夜になると冷え込みますね。
あと2ヶ月もすれば…
北陸にも春が来ます。
この写真は去年の4月のもの。
お寺の近くで撮影しました。
暖かい日差し、鳥の鳴き声、
色とりどりの花の咲くのも待ち遠しいです。
たとえあなたが春の来るのを信じられなくても、春は必ずやって来ますよ…
信じられるも何も、そんなの当たり前ですよ!と思われるかもしれませんが…もし、
たとえあなたが信じられなくても、阿弥陀仏の智慧と慈悲は、いつでも、どこでも、誰にでも平等に届けられていますよ…
と言われたら、素直に受けとめられるでしょうか。信じたいような気もするけど、掴み所のない話のようにも感じるかもしれませんね。
ある時こんなお話を聞きました。
「阿弥陀さまは、あらゆる人をお浄土に迎え入れて、必ず助けてくださるのですよ」と、聞いて喜んだ方が、家に帰ってからお連れ合いに阿弥陀さまのお浄土の話をしたそうです。それを聞いたお連れ合いは、
「わしは阿弥陀さんなんて信じんぞ!浄土があるというなら、ここに出してみぃ!」
と、おっしゃったそうです。
その方は、しばしの沈黙のあと…
「あら、そう。そうしたらね、あなた、明日ってあるかしら?」
と、お連れ合いに尋ねたそうです。すると、
「そんなのはあるに決まっておる!」
とのお返事。そこで
「それなら、あなた、今ここに、その明日出してみてよ」
と言ったそうですよ。お連れ合いは、きっと困られたことでしょうね。
さてさて、春も、仏さまのはたらきも、明日も、この身に味わうことは出来ても、目の前に出すことはできません。目には見えないし、持ってくることはできないけれど、春が来ると思うから寒い冬も耐えられ、明日があると思うから安心して生きていられるのかも…。
そんなことを考えていると、人間の考えの及ぶ範囲を遥かに超えたものこそ、実は人間存在を支えている世界なのではないかと思われてなりません。