称名寺へようこそ。
ブログを訪ねていただいて、
ありがとうございます。
一昨日から、北陸はまた雪になりました。
今朝も早くから、境内の除雪に励む副住職。
御堂の入り口を作っていました。
登校途中の中学生が除雪の様子を見て
「あっ!きれい!」と言ったそうな。
この一言で、副住職の一日は
良いスタートとなったようです。
さて、今日は雪のような蚕の繭のお話です。
絹の元になる美しい蚕の繭。
蚕が自ら糸を吐き繭にくるまってしまう姿は、まるで人間が自分の煩悩に自ら縛られている姿そのもの。
仏教に「蚕繭自縛」(さんけんじばく)
というお言葉があります。
理想と現実の違いを認められずに、理想の世界に引きこもってしまうことを、蚕が繭に籠る姿にたとえて「繭化人間」とも言います。
理想の世界は居心地良さそうですが…
繭の中にいる間は人と出会えません。
自分を理想の型に嵌める苦しみもあります。
繭の中にいると傷つくことは少ない代わりに、
出会いの喜びや人間としての成長の機会は、
とても限られたものになってしまいます。
もし自分が繭の中にいるなぁ…と感じるならば
理想の自分はさっと手放して、
現実の自分を受け入れることが大切なのではないでしょうか。
たとえば、もたもたして、かっこ悪い自分。
そんな自分を受け入れると…
何より自分自身がホッとします。
もたもたしている人のことも、許せます。
そうすると周りにいる人もホッとします。
自分も周りも安心していられると、
幸せを感じることが増えそうです。
理想の○○は、人によって違うでしょう。
理想の自分に縛られて
現実のあなたが苦しくなっていませんか?
世間では○○だから…
周りを気にしすぎて
本当にしたいことを諦めていませんか?
たまには自分自身と向き合って、
もし自分を苦しめる考えを持っているなら、
そっと手放してみてもいいのかもしれません。
もうすぐ春なので
身も心も軽やかにいたいものです。
なんまんだぶつ
またお会いしましょう。